<ハリハリ鍋の食材研究>
クジラと水菜が織りなすハーモニーを楽しむ


  ■高タンパク、低カロリーとヘルシーな鯨肉
鯨は哺乳類なので、肉の味は魚よりも和牛などの赤身に近い。ただ、陸上動物の肉と違うのは、高タンパク、鉄分も豊富でありながら脂肪分が少ないことだ。さらに専門的に言えば、最近注目されている防ガン効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)の含有量が魚同様に多く、血液循環系統によいことも指摘されている。とくにハリハリ鍋は、旬の野菜である水菜も大量に摂取できるから、まさにヘルシーそのもの。ダイエット中の人も安心して食べられるのがウレシイ。
 

  ■鯨は余すところなく食べられる優れた食材
一口に鯨肉と言っても、体の部分によって、肉質も味わいもさまざまに変化する。「徳家」のハリハリ鍋で主として使われているのは「赤身」と、背びれから尾までの背中側についている、特上グルメ肉の「尾の身」。 同店では、鍋料理以外にも多彩な鯨料理があり、「本皮」や「脂須の子」(手羽の根元)などは刺身に使われ、「レバー」や「心臓」もそのまま生で賞味する。「畝須(うねす)」(ヒゲクジラの腹部)はベーコンに、「サエズリ」(舌)や「コロ」(マッコウクジラの皮)はおでんや煮物に使われている。文字通り鯨は、余すところなく一頭まるまる楽しめる優れた食材なのだ。
 

  ■鍋の名の由来にもなった名脇役「水菜」
鯨肉と並んで、ハリハリ鍋に欠かせないのが水菜。京都原産で葉に切れ込みのない近縁品種・壬生菜(みぶな)が主に漬け物用として使われるのに対し、水菜は鍋や煮物に使われる。関東では京菜として売られていることが多く、スーパーでもあまり見かけることはないが、鍋物好きの関西ではこれがないと冬は始まらない。本来は名脇役である水菜が、主役級の役割を与えられる鍋料理は、このハリハリを置いてない。水菜は口当たりがハリハリしていて、葉の先が尖って深い切れ込みがあるところから、ハリハリ鍋と名づけられた。シャキシャキとした歯ざわり、独特のほろ苦さとあいまって、肉の臭みを消す働きもあるため、鯨肉と一緒に炊き合わせると相性バツグン。専門店では普通、これでもかと言わんばかりに山盛りにして出される。
 
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