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■ダシと麺にこだわり続けて34年の実力派
大阪ミナミは八幡筋で、長年多くの人々から愛されてきた新勝太郎は、試行錯誤の末に生み出されたオリジナルダシで知られている。懐石のお吸い物の奥深さを彷彿とさせる、微妙にして豊かな味わい。もちろん、ダシだけでなく麺も、原料を厳選して工夫を重ねてつくられている。すべてがまさに本物と呼ぶにふさわしい、食通をうならせてきた名店だ。
主人は割烹料理で修行を積んだ人とあって、具となる素材へのこだわりは人一倍。従来のうどんイメージをくつがえす、贅沢な季節の素材を使ったメニューを揃えながら、価格がリーズナブルであるのも大きな魅力だ。ファンの多い同店のうどんだが、今回は最もポピュラーな一品、きつねうどんを取材させていただいた。
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■麺のうまさを決める小麦粉と塩を厳選
新勝太郎のうどんは、小麦粉や塩など原料を選び抜いた麺づくりから始まる。 小麦粉の種類はいろいろあるが、一般的には、タンパク質の量は8〜10%の範囲内で、グルテンの性質はあまり硬すぎず、適度な柔らかさと切れにくい伸展性を持つ、中力粉の一〜二等級が向いている。新勝太郎でも、この小麦粉を使用している。
また、塩も重要な要素。うどんを作るとき、一塩(塩水)を使うのは、「グルテンを引き締め、生地の粘着性を増加させる」「生地の発酵を抑制し、防腐、生地の乾燥防止、温度変化による生地への影響を調節する」「うどんの風味、食感をよくする」--などが理由が上げられる。新勝太郎では、塩の収斂(しゅうれん)効果をよく理解した上で、うどん特有のシコシコした食感を出すように工夫している。さらに、熟成させることによって、独特の粘着性も持たせている。
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■茹で時間を早く、よりおいしくするための空洞麺
うどんが茹で上がるとは、熱湯がうどんの中心部まで浸透してでんぷんが糊化すること、つまり食べておいしい適度な柔らかさになることを指す。この茹で時間は、うどんを打つ際の水の量を増加させることで短縮することができるのだが、これはうまいうどんの代名詞である、コシの良さを奪うことにもつながる。そのため、新勝太郎では、ちょっと変わった工夫をこらしている。
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細うどんの倍くらいの比較的細めのこちらのうどんは、なんと中心部がマカロニ状に空洞になっているのである。この隠し穴で、通常8分はかかる茹で時間を4分にまで短縮。オーダーからほぼ5分で客席に運ばれてくるという素早さで、イラチな大阪人を待たせることなしに満足させている。こうした工夫のおかげで、すべての客に茹でたてアツアツ、コシのあるうどんを提供することができるわけだ。
うどんは魚介類と同じで鮮度が大事。とことん茹でたてにこだわったその姿勢が、他ではみられないこのツルツルシコシコのうどんを生み出したのだ。
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