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お次は、『わたしはこんなものにカラシを使う!』という究極の辛口談をご紹介。
辛いものが好きなので、からしはもちろん、一味(七味ではない)、ワサビなんかもそれぞれの食べ物に合った香辛料をガバガバとかけて食べています。
からしは、冷麺、あんかけヤキソバ、フライ物、サンドイッチ、ホットドッグ、なすの浅漬け、おでん、もちろん豚マンや焼売などにたっぷりと使ってます。豚マンはウスターソースにからしを溶かし、豚マン自体にもべったりとからしを塗り付けそれをからしソースにつけおいしく食しています。
行き付けの居酒屋では粉がらしを湯で溶いたものを使っていますが、今はチューブ入りで辛くて上手いもの(和がらし)も出ていますのでそれを買ってきてマイからしとして店に置いておき一人で(誰にもやらず)使っています。
尚、僕の連れは、焼酎のロックや水割りにワサビを入れてうまいといっているやつがいますが。(40代 神戸市、男性)
おみそれいたしました。これぞ、筋金入りのカラシスト。「マイからし」を居酒屋にキープしているところなんか、ちょっとすごすぎます。最近、マヨラーなるマヨネーズファンが増えて、マイマヨネーズがキープできるお店が出てきたそうですが、こんどは「マイからし」キープがブームになるかもしれませんね。(なわけ、ない?)
ちなみに、「焼酎ロックにワサビ」の組み合わせは、この話を聞いて試した某酒豪にいわせると、意外といけるらしい。不思議と悪酔いもしないとか。
この味覚が一般うけすれば、「ワサビ酎」という新メニューが、居酒屋でブームになるかもしれませんね。(なわけ、ない?)
もうお一人、からしにまつわる面白いネタふりご紹介。
「冷や奴にはカラシをつけて食べる」と母から聞きました。昔は豆腐屋で豆腐を買うとカラシがついていたそうです。
私は、冷や奴にはおろししょうが定番だと思っていたのですが、今は豆腐屋で買ってもカラシはついてきませんよね。いつから変わってきたのでしょうか。(大阪市、女性)
「冷や奴にカラシ?」「昔は豆腐屋でカラシを付けてくれた?」 「ほんまかいな」「おもろいやん!」というわけで、このネタに触発され、カラシにまつわる日本の食文化を調べてみました。
ありました!意外な事実が浮かび上がりました。
其の1「カラシ豆腐は中信地方でいまも健在!」
江戸時代から和芥子というのは、唐辛子と並ぶ日本の数少ない香辛料のひとつだったようで、庶民の多くがカラシを使っていました。
「冷や奴にカラシ」という風習は、ポピュラーな食文化だったらしく、いまでも中部・信越地方では「カラシ豆腐」なる、(豆腐の中にあんこのようにカラシを入れ込んだ?!)、そのものずばりの豆腐があるのだそうです。とくに、北陸の古都・金沢では、「豆腐といえばカラシ」というのが定番のようで、「茶碗豆腐」といって、茶碗を伏せたような丸い豆腐の中にカラシが入った豆腐も名物なのだそうです。
ですから、ビビさんのお母さんがおっしゃるように、昔ながらの風習や中信地方の食文化を受け継いだ豆腐屋さんなら、カラシ付きの豆腐販売をしていたのかもしれませんね。
其の2「江戸っこは初鰹にカラシをつけていた!」
からし菜からできる和芥子は、江戸時代の数少ない香辛料のひとつ、と前述しましたが、そういえば「池波正太郎さんの時代小説で、よく溶きからしが出てくる」ということを思い出し、調べてみました。
ありましたね。さすがは食通の池波先生。浅漬けのなすや豆腐、鰹の刺身に溶きからしを添えたものが出てきます。例によって、食いしん坊の鬼平さんや秋山小兵衛さんが、「や、これは、よい」と言いながら、日本酒をおいしそうに飲んでいます。うまそうなんだな、これが…。
鰹の刺身にからし、という組み合わせが不思議だったので、さらに調べてみると、江戸っこが大好きだった初鰹も、実はからしでいただくのが最もポピュラーな食し方だったようです。からし以外では、大根おろし、みょうが、たまにワサビなどが、添えられていたようです。
この時代の川柳にも、「初がつを 銭と芥子で二度落涙」といった、高価な鰹になけなしの銭をはたいていた様子がうかがえます。
鰹とからしにまつわる川柳では、大奥の老女・絵島とのスキャンダル(絵島事件)で遠島になった役者の生島新五郎が、三宅島から二代目・市川菊五郎によせた句「初松魚(はつかつお) からしがなくて涙かな」が有名です。
つんとくる、からしに寄せて、なんとも哀愁のある話です。
今回は、ちょっとアカデミックな話へと発展していきましたが、こんなふうに、全国各地の食文化を、好奇心いっぱいに眺めてみるのも楽しいものです。
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