さて、今回の東西食文化おもしろ噺のお題は、「ところてん」です。そうです、漢字で「心太」(シンブトとは呼ばないでね〜)と書くトコロテンのことです。


<ところてんは和菓子?それともおかず?>
ところてんについて。幼少期を関東で過ごした夫は「醤油+お酢(二杯酢?三杯酢?)+からし」をかけ、大阪で生れた女の私は黒蜜をかけて食べます。お互い相手のかけるものを見て「ようそんなんで、食べられるなー」と言い合っています。私のところてんのポジションは和菓子なので、酢醤油をかけたところてんはとても奇異に映り、中華の春雨サラダに思えて「それはおかずとして食べるわけ?」とまじで聞きましたが、おかずではなさそうです。 「♪育ってきた環境が違うから好き嫌いはしょうがない」・・・もうこれはお互い生理的に理解し合えない違いでございます。


これは、ところてん問題の核心を、非常にクレバーについています。すなわち、「食メニューとしてのところてんのポジションはどこにあるのか?」が今回のテーマなので、ごじゃいます(ミニモニ風)。



まず、大阪をはじめとする西のところてんの味付けですが、これは、黒蜜がスタンダード。スーパーなどにある、タレがセットになった商品では、黒蜜バージョンと酢醤油バージョンの二種が陳列されていますが、関西で売れるのは圧倒的に黒蜜が多いようです。さらに、黒蜜ジョーシキ論が圧倒する西方からのネタを続けてご紹介します。



<西VS東ところてんバトルその1>
トコロテン。大阪人としては黒砂糖の蜜などをトッピングして食べますよネ。 ところが東京の知り合いの家で出されたトコロテン、一口食べて思わず吹き出してしまった。なんと酢醤油みたいな液体に入っていた。ご馳走してくれた家族からは軽蔑の眼差し…。

この方のように、"甘味"を信じてほおばったのに、"酸味"だった、という「ところてんショック」の声、けっこうあります。


<西VS東ところてんバトルその2>
東京へ行った時、無性に甘い物が食べたくなり、甘味屋へ入りました。大好きな葛切り(ところてんのこと)があったので、早速、注文。しかし、食べると、それは、辛子酢醤油味!!東京は、そうだという事を、忘れていました。大阪は、黒蜜なんだもの。黒蜜のつもりで口に運んだ時の衝撃は、一生、忘れません!!

この方も、「ところてんショック」の洗礼を受けておられます。


<西VS東ところてんバトルその3>
なんといってもところてん!甘党のお店に行っても酢醤油で出てくるし。豆腐屋さんにもところてん置いてないし、あっても酢水につかってる。仕方がないので、自分で作って食べている。


自衛策として、自分で作って食べている、という方もおられます。よくお店屋さんでやらせてくれる「ところてん突き」は、楽しいものですが、自分でいちから素材を作るとなると、かなり根性がいりますよね。


<西VS東ところてんバトルその4>
"つける"っていうので気になるのは「ところてん」。関西はたいがいどこでも黒蜜かお酢か選べますよね?私は黒蜜が好きなんですが、関東はここ茨城県には存在しない!スーパーで見つけたところてんが、どれもわけのわからん「スープ、カラシ」付きだったのに愕然としました…。だいたいスープってなんや?大阪のじょーしきではどうなんでしょう?
へぇ〜、茨城県情報によると、トッピングのタレは、「スープ」という存在にすり替わっているわけですね。なんとなく、流行りの漬け麺ラーメンみたいです。とすると、茨城県におけるところてんのポジションは、中華か点心?



このように、大阪人をはじめ、西の人々が一般的に感じているところてんのポジションというのは、「デザート」「和菓子」「おやつ」系です。共通しているのは、「スウィート」という味覚ですね。
一方の東の方々が感じているところてんのポジションは、「小腹が空いたときの間食」とか、やはり「おやつ」なのでしょうか。それとも、「食事中にいただくメニューのひとつ」とか「おかず」という位置づけになるのでしょうか。
疑問がふくらむなか、中部地方から興味深い"味覚認情報"をGETしました。


<東西折衷ところてんのお味発見!?>
私は、ところてんにカラシを使います。タレは酢と醤油です。そこにキリゴマと青のり、カラシを入れて食べます。その組み合わせでスーパーで通常売っているのが普通と思っていましたが、名古屋に引っ越してきてビックリ。タレが三杯酢のような感じで甘かったです。もちろんカラシも無しです。

今までの情報を総合すると、東の酸味と西の甘味が名古屋あたりで融合して、「三杯酢」という第三バージョンに変形しているのでしょうか?!いま注目の名古屋文化だけに、ちょっと気になります。


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